このAさんは夜になって閑になると、好く尺八を吹く若い男であった。
独身もので病院に寝泊りをして、室は三沢と同じ三階の折れ曲った隅にあった。
この間まで始終上履の音をぴしゃぴしゃ云わして歩いていたが、この二三日まるで顔を見せないので、三沢も自分も、どうかしたのかねぐらいは噂し合っていたのである。
このAさんは夜になって閑になると、好く尺八を吹く若い男であった。
独身もので病院に寝泊りをして、室は三沢と同じ三階の折れ曲った隅にあった。
この間まで始終上履の音をぴしゃぴしゃ云わして歩いていたが、この二三日まるで顔を見せないので、三沢も自分も、どうかしたのかねぐらいは噂し合っていたのである。