夏目漱石 『行人』 つい向うに見える物干に、松だの石榴だのの盆栽が五六鉢並んでいる傍で、島田に結った若い女が、しきりに洗濯ものを竿の先に通していた。 自分はちょっとその方を見てはまた下を向いた。 けれども待ち設けている当人はいつまで経っても出て来る気色はなかった。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア