クローヂヤスさま、おそれながら此度の奇怪の噂は、意外なほど広く諸方に伝えられ、もみ消そうとすればするほど、噂の火の手はさかんになり尋常一様の手段では、とても防ぐ事の出来ぬと見てとりましたので、死中に活を求める手段、すなわち、わしが頗る軽率に騒ぎ出して、若い人たちに興覚めさせ、王に同情の集るように仕組んだものでございますが、果して、もうハムレットさまも、ホレーショーも、いまでは、わしが正義、正義と連呼して熱狂する有様に閉口し、王さまの弁護をさえ言い出している始末でございます。
この風潮が、城中の奥から起って、やがて、ざわざわ四方に流れていって、噂の火焔を全部消しとめてくれるのも、遠い将来ではございますまい。
すべてが、うまく行ったようです。