泣いてなんかいないでしょう?
ハムレットさまは、いつでも、あたしの気持を、へんに大袈裟に察して下さるので、あたしは時々、噴き出したくなる事があるの。
あたしが、ただうっとりと夕焼けを眺めて、綺麗だなあと思っているのに、ハムレットさまは、あたしの肩にそっとお手を置かれて、わかるよ、くるしいだろうねえ、けれども苦しいのは君だけじゃない、夕焼けの悲しさは、僕にだってよくわかる、けれども、怺えて生きて行こう、もうしばらく、僕ひとりの為にだけでも生きていておくれ、いっそ死にたいという思いを抱いて、それでも忍んで生きている人は、この世に何万人、何十万人もいるのだよ、なんて、まるであたしが、死ぬ事でも考えているかのように、ものものしい事をおっしゃるので、あたしは可笑しくて、くるしくなります。