この時、レヤチーズは、はじめてボートの支度を下知して、四、五の船客をまずボートに抱き乗せ、つぎに船員の、妻子のある者にも避難を命じ、自分は屈強のいのち知らずの若い船員五、六名と共に船に居残り、おのおの剣を抜いて敵兵の襲来を待機した。
一兵といえども祖国の船に寄せつけじと、レヤチーズは死ぬる覚悟、ヘラクレスの如く泰然自若たるものがあったという。
敵艦の者も此の勇者の姿を望見し、おじ恐れて、ただ、わが帆船のまわりをうろつき、そのおのずから炎上し沈没するのを待つより他はなかったのだ。
この時、レヤチーズは、はじめてボートの支度を下知して、四、五の船客をまずボートに抱き乗せ、つぎに船員の、妻子のある者にも避難を命じ、自分は屈強のいのち知らずの若い船員五、六名と共に船に居残り、おのおの剣を抜いて敵兵の襲来を待機した。
一兵といえども祖国の船に寄せつけじと、レヤチーズは死ぬる覚悟、ヘラクレスの如く泰然自若たるものがあったという。
敵艦の者も此の勇者の姿を望見し、おじ恐れて、ただ、わが帆船のまわりをうろつき、そのおのずから炎上し沈没するのを待つより他はなかったのだ。