それなのに、お前はひどく威張り返って、洋裁の仕事がいそがしくてとても田舎へなんか行かれぬなどという返事をよこして、どんな暮しをしていたものやら、そろそろ東京では食料が不自由になっているという噂を聞いてあさは、ほとんど毎日のように小包を作ってお前たちに食べ物を送ってやった。
お前はそれを当り前みたいに平気で受取って、ろくに礼状も寄こさなかったようだが、しかし、あさはあれを送るのに、どんな苦労をしていたかお前には、わかるまい。
一日でも早く着くようにと、必ず鉄道便で送って、そのためにあさは、いつも浪岡の駅まで歩いて行ったのだ。