「大阪の富より君自身の富はどうだい」と兄が皮肉を云ったとき、岡田は禿げかかった頭へ手を載せて笑い出した。
「しかし僕の今日あるも――というと、偉過ぎるが、まあどうかこうかやって行けるのも、全く叔父さんと叔母さんのお蔭です。
僕はいくらこうして酒を呑んで太平楽を並べていたって、それだけはけっして忘れやしません」
「大阪の富より君自身の富はどうだい」と兄が皮肉を云ったとき、岡田は禿げかかった頭へ手を載せて笑い出した。
「しかし僕の今日あるも――というと、偉過ぎるが、まあどうかこうかやって行けるのも、全く叔父さんと叔母さんのお蔭です。
僕はいくらこうして酒を呑んで太平楽を並べていたって、それだけはけっして忘れやしません」