兄は何か癪に障った時でも、むずかしい高尚な問題を考えている時でも同じくこんな様子をするから、自分にはいっこう見分がつかなかった。
自分はしまいにとうとう思い切ってこっちから何か話を切り出そうとした。
と云うのは、向側に腰をかけている母が、嫂と応対の相間相間に、兄の顔を偸むように一二度見たからである。
兄は何か癪に障った時でも、むずかしい高尚な問題を考えている時でも同じくこんな様子をするから、自分にはいっこう見分がつかなかった。
自分はしまいにとうとう思い切ってこっちから何か話を切り出そうとした。
と云うのは、向側に腰をかけている母が、嫂と応対の相間相間に、兄の顔を偸むように一二度見たからである。