昔からあの家は、お仲人の振れ込みほどのことも無く、ケチくさいというのか、不人情というのか、わたくしどもの考えとは、まるで違った考えをお持ちのようで、あのひとがこちらへ来てからまる八年間、一枚の着換えも、一銭の小遣いもあのひとに送って来た事が無いんですよ。
そんなにむごくされても、あの人は、やっぱり生れた家に未練があるのか、いつだったか、あの黒石の兄さんが、何とか議員に当選した時の、まあ、あの人の喜びようったら、あさましくて、あいそが尽きました。
議員なんて、何もそんなに偉いものではないと思いますがねえ。