われは隣組常会に於いて決議せられたる事項にそむきし事ただの一度も無之、月々に割り当てられたる債券は率先して購入仕り、また八幡宮に於ける毎月八日の武運長久の祈願には汝等と共に必ず参加申上候わずや、何を以てか我を注意人物となす、名誉毀損なり、そもそも老婆心の忠告とは古来、その心裡の卑猥陋醜なる者の最後に試みる牽制の武器にして、かの宇治川先陣、佐々木の囁きに徴してもその間の事情明々白々なり、いかにも汝は卑怯未練の老婆なり、殊にもわが親愛なる学生諸君を不良とは何事、義憤制すべからず、いまこそ決然立つべき時なり、たとい一日たりとも我は既に武術の心得ある男子なり、呉下阿蒙には非ざるなり、撃つべし、かれいかに質屋の猛犬を蹴殺したる大剛と雖も、南無八幡!
と念じて撃たば、まさに瓦鶏にも等しかるべし、やれ!
と咄嗟のうちに覚悟を極め申候て、待て!