こうして兄といっしょに昇降器へ乗ったり、権現へ行ったりするのが、その日は自分に取って、何だか不安に感ぜられた。
平生でも兄と差向いになると多少気不精には違なかったけれども、その日ほど落ちつかない事もまた珍らしかった。
自分は兄から「おい二郎二人で行こう、二人ぎりで」と云われた時からすでに変な心持がした。
こうして兄といっしょに昇降器へ乗ったり、権現へ行ったりするのが、その日は自分に取って、何だか不安に感ぜられた。
平生でも兄と差向いになると多少気不精には違なかったけれども、その日ほど落ちつかない事もまた珍らしかった。
自分は兄から「おい二郎二人で行こう、二人ぎりで」と云われた時からすでに変な心持がした。