物語だけをきちんとまとめあげたものであった。
そのとしの秋、ジッドのドストエフスキイ論を御近所の赤松月船氏より借りて読んで考えさせられ、私のその原始的な端正でさえあった「海」という作品をずたずたに切りきざんで、「僕」という男の顔を作中の随所に出没させ、日本にまだない小説だと友人間に威張ってまわった。
友人の中村地平、久保隆一郎、それから御近所の井伏さんにも読んでもらって、評判がよい。
物語だけをきちんとまとめあげたものであった。
そのとしの秋、ジッドのドストエフスキイ論を御近所の赤松月船氏より借りて読んで考えさせられ、私のその原始的な端正でさえあった「海」という作品をずたずたに切りきざんで、「僕」という男の顔を作中の随所に出没させ、日本にまだない小説だと友人間に威張ってまわった。
友人の中村地平、久保隆一郎、それから御近所の井伏さんにも読んでもらって、評判がよい。