よく人は、源家は暗いと申してゐるやうでございますが、それは源家のお方たちの暗さではなく、この相模守義時さまおひとりの暗さが、四方にひろがつてゐる故ではなからうかとさへ私たちには思はれました。
父君の時政公でさへ、この相州さまに較べると、まだしもお無邪気な放胆の明るさがあつたやうでございます。
それほどの陰気なにほひが、いつたい、相州さまのどこから発してゐるのか、それはわかりませぬが、きつと、人間として一ばん大事な何かの徳に欠けてゐたのに違ひございませぬ。
よく人は、源家は暗いと申してゐるやうでございますが、それは源家のお方たちの暗さではなく、この相模守義時さまおひとりの暗さが、四方にひろがつてゐる故ではなからうかとさへ私たちには思はれました。
父君の時政公でさへ、この相州さまに較べると、まだしもお無邪気な放胆の明るさがあつたやうでございます。
それほどの陰気なにほひが、いつたい、相州さまのどこから発してゐるのか、それはわかりませぬが、きつと、人間として一ばん大事な何かの徳に欠けてゐたのに違ひございませぬ。