不忍の池を拭って吹いて来る風は、なまぬるく、どぶ臭く、池の蓮も、伸び切ったままで腐り、むざんの醜骸をとどめ、ぞろぞろ通る夕涼みの人も間抜け顔して、疲労困憊の色が深くて、世界の終りを思わせた。
上野の駅まで来てしまった。
無数の黒色の旅客が、この東洋一とやらの大停車場に、うようよ、蠢動していた。
不忍の池を拭って吹いて来る風は、なまぬるく、どぶ臭く、池の蓮も、伸び切ったままで腐り、むざんの醜骸をとどめ、ぞろぞろ通る夕涼みの人も間抜け顔して、疲労困憊の色が深くて、世界の終りを思わせた。
上野の駅まで来てしまった。
無数の黒色の旅客が、この東洋一とやらの大停車場に、うようよ、蠢動していた。