と強く言って広間から退出した。
金内の私宅には、八重ということし十六になる色白く目鼻立ち鮮やかな大柄な娘と、鞠という小柄で怜悧な二十一歳の召使いと二人住んでいるだけで、金内の妻は、その六年前にすでに病歿していた。
金内はその日努めて晴れやかな顔をして私宅へ帰り、父はまたすぐ旅に出かける、こんどの旅は少し永いかも知れぬから留守に気を附けよ、とだけ言って、貯えの金子ほとんど全部をふところにねじ込み、逃げるようにして家を出た。
と強く言って広間から退出した。
金内の私宅には、八重ということし十六になる色白く目鼻立ち鮮やかな大柄な娘と、鞠という小柄で怜悧な二十一歳の召使いと二人住んでいるだけで、金内の妻は、その六年前にすでに病歿していた。
金内はその日努めて晴れやかな顔をして私宅へ帰り、父はまたすぐ旅に出かける、こんどの旅は少し永いかも知れぬから留守に気を附けよ、とだけ言って、貯えの金子ほとんど全部をふところにねじ込み、逃げるようにして家を出た。