或いは民家の軒下に休み、或いは海岸の岩穴に女の主従がひたと寄り添って浪の音を聞きつつ仮寝して、八重のゆたかな頬も痩せ、つらい雪道をまたもはげまし合っていそいでも、女の足は、はかどらず、ようやく三日目の暮方、よろめいて鮭川の入海のほとりにたどり着いた時には、南無三宝、父は荒蓆の上にあさましい冷いからだを横たえていた。
その日の朝、この金内の屍が、入海の岸ちかくに漂っていたという。
頭には海草が一ぱいへばりついて、かの金内が見たという人魚の姿に似ていたという。
或いは民家の軒下に休み、或いは海岸の岩穴に女の主従がひたと寄り添って浪の音を聞きつつ仮寝して、八重のゆたかな頬も痩せ、つらい雪道をまたもはげまし合っていそいでも、女の足は、はかどらず、ようやく三日目の暮方、よろめいて鮭川の入海のほとりにたどり着いた時には、南無三宝、父は荒蓆の上にあさましい冷いからだを横たえていた。
その日の朝、この金内の屍が、入海の岸ちかくに漂っていたという。
頭には海草が一ぱいへばりついて、かの金内が見たという人魚の姿に似ていたという。