かれはこの時、人足たちと共に片手に松明を持ち片手で川底をさぐっているような恰好だけはしていたが、もとより本気に捜すつもりはない。
いい加減につき合って手間賃の分配にあずかろうとしていただけであったのだが、青砥は岸に焚火して赤鬼の如く顔をほてらし、眼をむいて人足どもを監視し、それ左、それ右、とわめき散らすので、どうにも、うるさくてかなわない。
ちぇ、けちな野郎だ、十一文がそんなに惜しいかよ、血相かえて騒いでいやがる、貧乏役人は、これだからいやだ、銭がそんなに欲しかったら、こっちからくれてやらあ、なんだい、たかが十文か十一文、とむらむら、れいの気前のよいところを見せびらかしたくなって来て、自分の腹掛けから三文ばかりつかみ出し、