「ごめんね、もう要らないわよ。
と言ってあたりを見廻し、この妹を殺して絹を奪おう、この腰の刀で旅人を傷つけた事は一度ならずある、ついでに妹を斬って捨てても、罪は同じだ、あたしは何としても、晴衣を一枚つくるのだ、こんどに限らず、帯でも櫛でもせっかくの獲物をこんな本当の男みたいな妹と二人でわけるのは馬鹿らしい、むだな事だ、にくい邪魔、突き刺して絹を取り上げ、家へ帰ってお母さんに、きょうは手剛い旅人に逢い、可哀想に妹は殺されましたと申し上げれば、それですむ事、そうだ、少しも早くと妹の油断を見すまし、刀の柄に手を掛けた、途端に、
「姉さん!