あしたから、あなたが、ごはんをたくのですよ。
薪も割ってもらわなくちゃこまるし、糠味噌もよく掻きまわして、井戸は遠いからいい気味だ、毎朝手桶に五はいくんで来て台所の水甕に、あいたたた、馬鹿な亭主を持ったばかりに、あたしは十年寿命をちぢめた。
と喚き、その翌る日の組も同じ事、いずれも女は不平たらたら、男はひとしく口汚くののしられて、女子と小人は養い難しと眼をかたくつぶって観念する者もあり、家へ帰って矢庭に女房をぶん殴って大立廻りを演じ離縁騒ぎをはじめた者もあり、運悪く大雪の日の番に当った一組は、ひとしお女房の歎きやら呪いやらが猛烈を極め、共に風邪をひき、家へ帰って床を並べて寝込んでしまって咳にむせかえりながらも烈しく互いに罵倒し合い、太鼓の仕置きも何の事は無い、女の口の悪さを暴露したという結果に終っただけのようであった。