悠然と台所にあがり込み、「ほう、ここはまだ、みそかの支払いもすまないと見えて、あるわ、あるわ、書附けが。
ここに取りちらかしてある書附け、全部で、三、四十両くらいのものか。
世はさまざま、〆て三、四十両の支払いをすます事も出来ずに大晦日を迎える家もあり、また、わしの家のように、呉服屋の支払いだけでも百両、お金は惜しいと思わぬが、奥方のあんな衣裳道楽は、大勢の使用人たちの手前、しめしのつかぬ事もあり、こんどは少しひかえてもらわなくては困るです。
悠然と台所にあがり込み、「ほう、ここはまだ、みそかの支払いもすまないと見えて、あるわ、あるわ、書附けが。
ここに取りちらかしてある書附け、全部で、三、四十両くらいのものか。
世はさまざま、〆て三、四十両の支払いをすます事も出来ずに大晦日を迎える家もあり、また、わしの家のように、呉服屋の支払いだけでも百両、お金は惜しいと思わぬが、奥方のあんな衣裳道楽は、大勢の使用人たちの手前、しめしのつかぬ事もあり、こんどは少しひかえてもらわなくては困るです。