上の娘をよそにかたづけて、まず一安心と思っていたら、それがあなた、一年経つか経たないうちに、乞食のような身なりで赤子をかかえ、四、五日まえにあたしのところへ帰って来て、亭主が手拭いをさげて銭湯へ出かけて、それっきり他の女のところへ行ってしまった、と泣きながら言うけれど、馬鹿らしい話じゃありませんか。
娘もぼんやりだけど、その亭主もひどいじゃありませんか。
育ちがいいとかいって、のっぺりした顔の、俳諧だか何だかお得意なんだそうで、あたしは、はじめっから気がすすまなかったのに、娘が惚れ込んでしまっているものだから、仕方なく一緒にさせたら、銭湯へ行ってそのまま家へ帰らないとは、あんまり人を踏みつけていますよ。