江戸は底知れずおそろしいところだ、と苦労知らずの三粋人も、さすがに感無量の態であった。
小桶に一ぱいのぼうふらを、たった二十五文で買ってもらって、それでも嬉しそうに、金魚屋の下男にまで、それではまた、と卑しい愛嬌を振り撤きいそいそと立ち去るその小男のうしろ姿を見送ってひとりが、
「おや、あれは、利左じゃないか。
江戸は底知れずおそろしいところだ、と苦労知らずの三粋人も、さすがに感無量の態であった。
小桶に一ぱいのぼうふらを、たった二十五文で買ってもらって、それでも嬉しそうに、金魚屋の下男にまで、それではまた、と卑しい愛嬌を振り撤きいそいそと立ち去るその小男のうしろ姿を見送ってひとりが、
「おや、あれは、利左じゃないか。