このお正月は御男子御出生と二つお目出度が重り、京の初春もわがものと思召し、ひとしお御一家の笑声も華やかに、昔の遊び仲間も集り、都の極上の酒を酌交し、とかく楽しみは京の町人、それにつけても先年おろかな無分別を起して出家し、眼夢とやら名を変えて吉野の奥にわけ入った九平太は、いまどうしているかしらんと、さだめし一座の笑草になさった事でございましょうね。
いや味を申し上げているのではありません。
眼夢、かくの如く、いまはつくづく無分別の出家遁世を後悔いたし、冬の吉野の庵室に寒さに震えて坐って居ります。
このお正月は御男子御出生と二つお目出度が重り、京の初春もわがものと思召し、ひとしお御一家の笑声も華やかに、昔の遊び仲間も集り、都の極上の酒を酌交し、とかく楽しみは京の町人、それにつけても先年おろかな無分別を起して出家し、眼夢とやら名を変えて吉野の奥にわけ入った九平太は、いまどうしているかしらんと、さだめし一座の笑草になさった事でございましょうね。
いや味を申し上げているのではありません。
眼夢、かくの如く、いまはつくづく無分別の出家遁世を後悔いたし、冬の吉野の庵室に寒さに震えて坐って居ります。