墨染の衣だけでも似合うかと思いの他、私は肩幅が広いので弁慶のような荒法師の姿で、狼に衣の例に漏れず、何もかも面白くなく、既に出家していながら、更にまた出家遁世したくなって何が何やらわからず、ただもう死ぬるばかり退屈で、
歎きわび世をそむくべき方知らず、吉野の奥も住み憂しと言へり
という歌の心、お察しねがいたく、実はこれとて私の作った歌ではなく、人の物もわが物もこの頃は差別がつかず、出家遁世して以来、ひどく私はすれました。
墨染の衣だけでも似合うかと思いの他、私は肩幅が広いので弁慶のような荒法師の姿で、狼に衣の例に漏れず、何もかも面白くなく、既に出家していながら、更にまた出家遁世したくなって何が何やらわからず、ただもう死ぬるばかり退屈で、
歎きわび世をそむくべき方知らず、吉野の奥も住み憂しと言へり
という歌の心、お察しねがいたく、実はこれとて私の作った歌ではなく、人の物もわが物もこの頃は差別がつかず、出家遁世して以来、ひどく私はすれました。