夏目漱石 『行人』 動かずにまた物を云わずに、黙って坐っていた。 眼に色を見ないせいか、外の暴風雨は今までよりは余計耳についた。 雨は風に散らされるのでそれほど恐ろしい音も伝えなかったが、風は屋根も塀も電柱も、見境なく吹き捲って悲鳴を上げさせた。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア