まえから僕が、あの人に、あなたのことを言ってあかして居りましたので、あの人も、あなたのお名前を知ってしまって、そうして、たびたび、あなたのところへ郵便配達しているうちに、ふと、このひとじゃないかと思ったのだそうです。
五、六日まえ、僕のところへ来て、そんなことを言いますから、僕もわくわくして、どんな人か、と聞きましたら、ただ宿へ郵便を投げこむだけなのだから、顔は見たことがない、と言います。
それなら、こんどは様子を、それとなく内偵してみてくれ、もし人ちがいだと、醜態だから、と妹まで一緒になって、大騒ぎでした。