それから近江、越前、越後、加賀、能登、若狭などとさかんに船で交通をはじめて次第に栄え、外ヶ浜に於いて最も殷賑の要港となり、明治四年の廃藩置県に依つて青森県の誕生すると共に、県庁所在地となつていまは本州の北門を守り、北海道函館との間の鉄道連絡船などの事に到つては知らぬ人もあるまい。
現在戸数は二万以上、人口十万を越えてゐる様子であるが、旅人にとつては、あまり感じのいい町では無いやうである。
たびたびの大火のために家屋が貧弱になつてしまつたのは致し方が無いとしても、旅人にとつて、市の中心部はどこか、さつぱり見当がつかない様子である。