兄は思索に遠ざかる事のできない読書家として、たいていは書斎裡の人であったので、いくら腹のうちでこの少女を鍾愛しても、鍾愛の報酬たる親しみの程度ははなはだ稀薄なものであった。
感情的な兄がそれを物足らず思うのも無理はなかった。
食卓の上などでそれが色に出る時さえ兄の性質としてはたまにはあった。
兄は思索に遠ざかる事のできない読書家として、たいていは書斎裡の人であったので、いくら腹のうちでこの少女を鍾愛しても、鍾愛の報酬たる親しみの程度ははなはだ稀薄なものであった。
感情的な兄がそれを物足らず思うのも無理はなかった。
食卓の上などでそれが色に出る時さえ兄の性質としてはたまにはあった。