東海の磯の小島、と間違つて歌つたり、また、どういふわけか突如として、今もまた昔を書けば増鏡、なんて増鏡の歌が出たり、呻くが如く、喚くが如く、おらぶが如く、実にまづい事になつてしまつた。
私は、奥のお婆さんに聞えなければいいが、とはらはらしてゐたのだが、果せる哉、襖がすつとあいて、お婆さんが出て来て、
「さ、歌コも出たやうだし、そろそろ、お休みになりせえ。
東海の磯の小島、と間違つて歌つたり、また、どういふわけか突如として、今もまた昔を書けば増鏡、なんて増鏡の歌が出たり、呻くが如く、喚くが如く、おらぶが如く、実にまづい事になつてしまつた。
私は、奥のお婆さんに聞えなければいいが、とはらはらしてゐたのだが、果せる哉、襖がすつとあいて、お婆さんが出て来て、
「さ、歌コも出たやうだし、そろそろ、お休みになりせえ。