つまり私たちは、荘右衛門沢の縁に沿うた幅一尺くらゐの心細い小路を歩いてゐるのであつて、右手はすぐ屏風を立てたやうな山、左手は足もとから断崖になつてゐて、その谷底に滝壺がいかにも深さうな青い色でとぐろを巻いてゐるのである。
「これは、どうも、目まひの気味です。
と嫂は、冗談めかして言つて、陽子の手にすがりついて、おつかなさうに歩いてゐる。
つまり私たちは、荘右衛門沢の縁に沿うた幅一尺くらゐの心細い小路を歩いてゐるのであつて、右手はすぐ屏風を立てたやうな山、左手は足もとから断崖になつてゐて、その谷底に滝壺がいかにも深さうな青い色でとぐろを巻いてゐるのである。
「これは、どうも、目まひの気味です。
と嫂は、冗談めかして言つて、陽子の手にすがりついて、おつかなさうに歩いてゐる。