何だか勇ましいような惨ましいような一種の気分が、盲目の景清の強い言葉遣から、また遥々父を尋ねに日向まで下る娘の態度から、涙に化して自分の眼を輝かせた場合が、一二度あった。
しかしそれは歴乎とした謡手が本気に各自の役を引き受けた場合で、今聞かせられているような胡麻節を辿ってようやく出来上る景清に対してはほとんど同情が起らなかった。
やがて景清の戦物語も済んで一番の謡も滞りなく結末まで来た。
何だか勇ましいような惨ましいような一種の気分が、盲目の景清の強い言葉遣から、また遥々父を尋ねに日向まで下る娘の態度から、涙に化して自分の眼を輝かせた場合が、一二度あった。
しかしそれは歴乎とした謡手が本気に各自の役を引き受けた場合で、今聞かせられているような胡麻節を辿ってようやく出来上る景清に対してはほとんど同情が起らなかった。
やがて景清の戦物語も済んで一番の謡も滞りなく結末まで来た。