あなたはあの頃、画家になるのだと言って、たいへん精巧のカメラを持っていて、ふるさとの夏の野道を歩きながら、パチリパチリだまって写真とる対象物、それが不思議に、私の見つけた景色と同一、そっくりそのまま、北国の夏は、南国の初秋、まっかに震えて杉の根株にまつわりついている一列の蔦の葉に、私がちらと流し眼くれた、とたんに、パチリとあなたのカメラのまばたきの音。
私は、そのたびごとに小さい溜息吐かなければならなかった。
けれども一日、うらめしい思いに泣かされたことございました。
あなたはあの頃、画家になるのだと言って、たいへん精巧のカメラを持っていて、ふるさとの夏の野道を歩きながら、パチリパチリだまって写真とる対象物、それが不思議に、私の見つけた景色と同一、そっくりそのまま、北国の夏は、南国の初秋、まっかに震えて杉の根株にまつわりついている一列の蔦の葉に、私がちらと流し眼くれた、とたんに、パチリとあなたのカメラのまばたきの音。
私は、そのたびごとに小さい溜息吐かなければならなかった。
けれども一日、うらめしい思いに泣かされたことございました。