踊り屋台、手古舞、山車、花火、三島の花火は昔から伝統のあるものらしく、水花火というものもあって、それは大社の池の真中で仕掛花火を行い、その花火が池面に映り、花火がもくもく池の底から涌いて出るように見える趣向になって居るのだそうであります。
凡そ百種くらいの仕掛花火の名称が順序を追うて記されてある大きい番附が、各家毎に配布されて、日一日とお祭気分が、寂れた町の隅々まで、へんに悲しくときめき浮き立たせて居りました。
お祭の当日は朝からよく晴れていて私が顔を洗いに井戸端へ出たら、佐吉さんの妹さんは頭の手拭いを取って、おめでとうございます、と私に挨拶いたしました。