太宰治 『あさましきもの』 けれども、それから更に、こん、こん、と二つ弱い咳をしたが、それは、あきらかに嘘の咳であった。 身だしなみのよい男は、その咳をしすましてから、なよなよと首をあげた。 「ほんとうかね」能面に似た秀麗な検事の顔は、薄笑いしていた。 太宰治の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア