敵機来襲の時には、妻が下の男の子を背負い、私は上の女の子を抱いて、防空壕に飛び込みます。
先日、にわかに敵機が降下して来て、すぐ近くに爆弾を落し、防空壕に飛び込むひまも無く、家族は二組にわかれて押入れにもぐり込みましたが、ガチャンと、もののこわれる音がして、上の女の子が、やあ、ガラスがこわれたと、恐怖も何も感じない様子で、無心に騒ぎ、敵機が去ってから、もの音のした方へ行って見ると、やっぱり、三畳間の窓ガラスが一枚こわれていました。
私は黙って、しゃがんで、ガラスの破片を拾い集めましたが、その指先が震えているので苦笑しました。