こんな事を言っていると、いかにも私は我慢してキザに木石を装っている男か、或いは、イムポテンツか、或いは、実は意馬心猿なりと雖も如何せんもてず、振られどおしの男のように思うひともあるかも知れぬが、私は決してイムポテンツでもないし、また、そんな、振られどおしの哀れな男でも無いつもりでいる。
要するに私の恋の成立不成立は、チャンスに依らず、徹頭徹尾、私自身の意志に依るのである。
私には、一つのチャンスさえ無かったのに、十年間の恋をし続け得た経験もあるし、また、所謂絶好のチャンスが一夜のうちに三つも四つも重っても、何の恋愛も起らなかった事もある。