自分には母の言葉の裏に、自分さえ新しい家庭を作って独立すれば、兄の機嫌が少しはよくなるだろうという意味が明らさまに読まれた。
自分は今でも兄がそんな妙な事を考えているのだろうかと疑っても見た。
しかし自分もすでに一家を成してしかるべき年輩だし、また小さい一軒の竈ぐらいは、現在の収入でどうかこうか維持して行かれる地位なのだから、かねてから、そういう考えはちらちらと無頓着な自分の頭をさえ横切ったのである。
自分には母の言葉の裏に、自分さえ新しい家庭を作って独立すれば、兄の機嫌が少しはよくなるだろうという意味が明らさまに読まれた。
自分は今でも兄がそんな妙な事を考えているのだろうかと疑っても見た。
しかし自分もすでに一家を成してしかるべき年輩だし、また小さい一軒の竈ぐらいは、現在の収入でどうかこうか維持して行かれる地位なのだから、かねてから、そういう考えはちらちらと無頓着な自分の頭をさえ横切ったのである。