自分がこんな下らない理窟を云い募っているうちに、母の眼にはいつの間にか涙らしい光の影が、だんだん溜って来たので、自分は驚いてやめてしまった。
自分は面の皮が厚いというのか、遠慮がなさ過ぎると云うのか、それほど宅のものが気兼をして、云わば敬して遠ざけているような兄の書斎の扉を他よりもしばしば叩いて話をした。
中へ這入った当分の感じは、さすがの自分にも少し応えた。
自分がこんな下らない理窟を云い募っているうちに、母の眼にはいつの間にか涙らしい光の影が、だんだん溜って来たので、自分は驚いてやめてしまった。
自分は面の皮が厚いというのか、遠慮がなさ過ぎると云うのか、それほど宅のものが気兼をして、云わば敬して遠ざけているような兄の書斎の扉を他よりもしばしば叩いて話をした。
中へ這入った当分の感じは、さすがの自分にも少し応えた。