兄の室へ這入っては、こんな問題を種に、彼の新しく得た知識を、はいはい聞いているのが一番安全であった。
もっとも自分も御饒舌だから、兄と違った方面で、ルネサンスとかゴシックとかいう言葉を心得顔にふり廻す事も多かった。
しかしたいていは世間離れのしたこう云う談話だけで書斎を出るのが例であったが、その折は何かの拍子で兄の得意とする遺伝とか進化とかについての学説が、銅版の後で出て来た。
兄の室へ這入っては、こんな問題を種に、彼の新しく得た知識を、はいはい聞いているのが一番安全であった。
もっとも自分も御饒舌だから、兄と違った方面で、ルネサンスとかゴシックとかいう言葉を心得顔にふり廻す事も多かった。
しかしたいていは世間離れのしたこう云う談話だけで書斎を出るのが例であったが、その折は何かの拍子で兄の得意とする遺伝とか進化とかについての学説が、銅版の後で出て来た。