私は息がくるしくなって、眼のさきがもやもや暗く、自分のからだが石になって行くような、おそろしい気持が致しました。
こんなに、ほめられても、私にはその値打が無いのがわかっていましたから、この後、下手な綴方を書いて、みんなに笑われたら、どんなに恥ずかしく、つらい事だろうと、その事ばかりが心配で、生きている気もしませんでした。
また沢田先生だって、本当に私の綴方に感心なさっているのではなく、私の綴方が雑誌に大きい活字で印刷され、有名な岩見先生に褒められているので、それで、あんなに興奮していらっしゃるのだろうという事は、子供心にも、たいてい察しが附いて居りましたから、なおのこと淋しく、たまらない気持でした。