あの時のはずかしさ、私はそれから数十年経ったこんにち思い出しても、わあっ!
と大声を挙げて叫び狂いたい程でございます。
また、たぶん同じ頃の事であったかと思いますが、村の小学校、と申しましても、生徒が四、五十人に先生が二人、しかもその先生も、はたちをちょっと過ぎたくらいの若い先生と、それからその奥さんと二人なのでございまして、私は子供心にもその奥さんをお綺麗なお方だと思い込んでいまして、いや、或いは村の人たちがそのように評判するのを聞いて、自分もいつしかそんな工合の気持になったのか、何といってもそこは子供でございますから、お綺麗なお方だと思い込んでも、別段、それに就いて悩むなどという深刻な事はなく、まあ、漠然と慕っていたという程度だったのでございましょう。