連れの職工は、おい旦那、と私を呼び、奥さんの手料理をそれではごちそうになるとしよう、お前、案外もてやがるんだなあ、いろおとこめ、と言います。
そう言われて私もまんざらでなく、うふふと笑ってやにさがり、いもの天ぷらを頬張ったら、私の女が、お前、百姓の子だね、と冷く言います。
ぎょっとして、あわてて精進揚げを呑みくだし、うむ、と首肯くと、その女は、連れの職工のおいらんのほうを向いて小声で、育ちの悪い男は、ものを食べさせてみるとよくわかるんだよ、ちょっちょっと舌打ちをしながら食べるんだよ、と全くなんの表情も無く、お天気の事でも言っているみたいに澄まして言うのでございます。