いま思い出しても身震いが出ます。
女性のうちで、最もしいたげられ、悲惨な暮しをしていると言われているあのおいらんでさえ、私にとっては、実におそろしい、雷神以外のものではなかったのでした。
こんな工合に女から手ひどい一撃をくらった経験は、もう私にはかずかぎりも無くございますが、その中でも、いまだに忘れ得ぬ恥辱の思い出だけを申し述べるとしても、それだけでも、たっぷり一箇月の連続講演を必要とするほど、それほどおびただしいのでございますから、きょうは、その忘れ得ぬ思い出の中から、あとほんの三つ四つ聞いていただく事にしまして、それでひとまず、おわかれという事に致そうかと存じます。