芹川さんの兄さんとは、女学校に通っていたときには、毎朝毎夕挨拶を交して、兄さんは、いつでも、お店で、小僧さんたちと一緒に、くるくると小まめに立ち働いていました。
女学校を出てからも、兄さんは、一週間にいちどくらいは、何かと注文のお菓子をとどけに、私の家へまいっていまして、私も気易く兄さん、兄さんとお呼びしていました。
でも、こんなに遅く私の家にまいりましたことは一度も無いのですし、それに、わざわざ私を、こっそり呼ぶというのは、いよいよ芹川さんのれいの問題が爆発したのにちがいない、とわくわくしてしまって、私のほうから、