彼が外出して帰ると、嫂が芳江を連れて、不断の和服を持って上がって来るのが、その頃の習慣であった。
自分は母が嫂に「こういう風におしよ」と云いつけたのを傍にいて聞いていた事がある。
自分はぼんやりしながらも、兄のこの眼附によって、和服の不断着より、嫂と芳江とを彼は待ち設けていたのだと覚った。
彼が外出して帰ると、嫂が芳江を連れて、不断の和服を持って上がって来るのが、その頃の習慣であった。
自分は母が嫂に「こういう風におしよ」と云いつけたのを傍にいて聞いていた事がある。
自分はぼんやりしながらも、兄のこの眼附によって、和服の不断着より、嫂と芳江とを彼は待ち設けていたのだと覚った。