自分はぼんやりしながらも、兄のこの眼附によって、和服の不断着より、嫂と芳江とを彼は待ち設けていたのだと覚った。
自分は寝惚けた心持が有ったればこそ、平気で彼の室を突然開けたのだが、彼は自分の姿を敷居の前に見て、少しも怒りの影を現さなかった。
しかしただ黙って自分の背広姿を打ち守るだけで、急に言葉を出す気色はなかった。
自分はぼんやりしながらも、兄のこの眼附によって、和服の不断着より、嫂と芳江とを彼は待ち設けていたのだと覚った。
自分は寝惚けた心持が有ったればこそ、平気で彼の室を突然開けたのだが、彼は自分の姿を敷居の前に見て、少しも怒りの影を現さなかった。
しかしただ黙って自分の背広姿を打ち守るだけで、急に言葉を出す気色はなかった。