胡麻塩頭の中へ指を突っ込んで、むやみに頭垢を掻き落す癖があるので、差し向の間に火鉢でも置くと、時々火の中から妙な臭を立てさせて、ひどく相手を弱らせる事があった。
「君の兄さんは近来何を研究しているか」などとたびたび自分に聞いた。
自分は仕方なしに、「何だか一人で書斎に籠ってやってるようです」と極めて大体な答えをするのを例のようにしていた。
胡麻塩頭の中へ指を突っ込んで、むやみに頭垢を掻き落す癖があるので、差し向の間に火鉢でも置くと、時々火の中から妙な臭を立てさせて、ひどく相手を弱らせる事があった。
「君の兄さんは近来何を研究しているか」などとたびたび自分に聞いた。
自分は仕方なしに、「何だか一人で書斎に籠ってやってるようです」と極めて大体な答えをするのを例のようにしていた。