先生は「今日は君いやに意気銷沈しているね」と云ったぎり話頭を転じて、他のものと愚にもつかない馬鹿話を始め出した。
自分は自分の前にある茶碗の中に立っている茶柱を、何かの前徴のごとく見つめたぎり、左右に起る笑い声を聞くともなく、また聞かぬでもなく、黙然と腰をかけていた。
そうして心の裡で、自分こそ近頃神経過敏症に罹っているのではなかろうかと不愉快な心配をした。
先生は「今日は君いやに意気銷沈しているね」と云ったぎり話頭を転じて、他のものと愚にもつかない馬鹿話を始め出した。
自分は自分の前にある茶碗の中に立っている茶柱を、何かの前徴のごとく見つめたぎり、左右に起る笑い声を聞くともなく、また聞かぬでもなく、黙然と腰をかけていた。
そうして心の裡で、自分こそ近頃神経過敏症に罹っているのではなかろうかと不愉快な心配をした。