Hさんを通してB先生から彼を使いたいと申し込まれた時も、彼はまず己れを後にするという好意からか、もしくは贅沢な択好みからか、せっかくの位置を自分に譲ってくれた。
自分は電灯で照された彼の室を見廻して、その壁を隙間なく飾っている風雅なエッチングや水彩画などについて、しばらく彼と話し合った。
けれどもどういうものか、芸術上の議論は十分経つか経たないうちに自然と消えてしまった。
Hさんを通してB先生から彼を使いたいと申し込まれた時も、彼はまず己れを後にするという好意からか、もしくは贅沢な択好みからか、せっかくの位置を自分に譲ってくれた。
自分は電灯で照された彼の室を見廻して、その壁を隙間なく飾っている風雅なエッチングや水彩画などについて、しばらく彼と話し合った。
けれどもどういうものか、芸術上の議論は十分経つか経たないうちに自然と消えてしまった。