私は絹のものを、ぞろりと着流してフェルト草履をはき、ステッキを振り廻して歩く事が出来ないたちなので、その絹のものも、いきおい敬遠の形で、この一、二年、友人の見合いに立ち合った時と、甲府の家内の里へ正月に遊びに行った時と、二度しか着ていない。
それもまさか、フェルト草履にステッキという姿では無かった。
袴をはいて、新しい駒下駄をはいていた。
私は絹のものを、ぞろりと着流してフェルト草履をはき、ステッキを振り廻して歩く事が出来ないたちなので、その絹のものも、いきおい敬遠の形で、この一、二年、友人の見合いに立ち合った時と、甲府の家内の里へ正月に遊びに行った時と、二度しか着ていない。
それもまさか、フェルト草履にステッキという姿では無かった。
袴をはいて、新しい駒下駄をはいていた。